私が 師として尊敬するI先生 先生とお知り合いになったのは、私が児童合唱団で教えていた団員が、 I先生指導の合唱団メンバーで、 たまたま練習に遊びに行ったのがきっかけです。 とても魅力ある指導で、素敵な先生でした。 ただ、私が入団するには、年齢の問題・・・ 団のメンバーは、ほぼ20代の若い人たち・・・。 ところが思いかけず、先生のほうから入団のお誘いをいただき、 場違いとは思ったのですが、 素敵な先生の指導を直接受けられるまたとないチャンスに 年甲斐もなくメンバーの一員に加わりました。 先生が、練習をお休みされるときや、 お見えになるまでの練習は、 拙い私にやらせてもらっています。 しかし何といっても、 私は、先生の来られるときの練習が楽しみ・・・ とにかく、歌わせてくれる・・・ ああじゃない、こうじゃやない とおっしゃらず と思えば、ふとたちどまって、いろんな例えを出してこられる。 言葉のイントネーション、フレーズ感、 ハーモニー、ピアノとの連動性の大事さ 歌はもとより、ピアノも素敵・・・ お人柄もとてもすばらしく、 私には、先生の何気ない一言一句が、心に伝わる。 先日の練習のとき面白い例えをおっしゃった。
あるスーパーでの光景 買い物に来た主婦が、「きゅうり」の特売に新鮮なものを物色中、 ふと近くにある「なすび」も特売であることに気づき、 いま手に持っている「きゅうり」を無造作に置き、 「なすび」の方へ・・・ その光景を見てたら、 無造作に置かれた下にあるきゅうりを、 ほかの人たちは、おそらく買わないでしょう?
合唱をするとき、この主婦のようになったらいけない。 つまり、無意識にやっていることほど直りにくいものはない。 まず、今歌っているフレーズ(きゅうり)をほったらかしにしない。 次のフレーズ(なすび)に気を取られて、 前のフレーズをいい加減にしてしまう。 歌うときには、音程、リズムはもとより表現するには、 常に意識する。
指導する側が注意するだけでなく、 歌い手に歌っている部分の意識をリアルタイムに 持たせる助言をしてあげないといけない。
先生の例えを聞いて、 私は、その日の朝にあった女声合唱団での練習を思い出した。 エチュードを練習しているときに、同じ曲を2回歌わせました。 先生が、「アルト、わかっていないみたい。間違いに・・・」 次にソプラノとペアーで二人ずつ歌うように指示。 私からだ。 何小節か歌ったときに止められました。 私が、「長いですか?」と言いました。 そこで初めて先生が私の間違っているところを指摘されました。 アルトのフレーズの終わりを引き継いで同じメロディーを ソプラノが繰り返して歌うというパッセージ。 アルトの締めくくりの音とソプラノの始まりの音は同じ。 しかし長さが違う!見落としていた! 自分がこの部分で気をつけようとして練習したことは、 音をお互い合わせることに注意を払わなければ・・・という事。 私は、完全に譜面の読み違えをして練習してきたことに 気がつきました。
まさしく「きゅうりとなすび」の話。
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